近年、まちは様々な社会課題を抱えています。すまい研は、そんなまちに対して、その地域の人々とともにまちの魅力を考え、 まちの想いや魅力が宿る空き家を再生・利活用します。また、それを機に地域のコミュニティが再生し、次の空き家の再生につながる。 そんな地域の想いやエネルギーが循環するまちづくりを実現しようと考えています。
まちが抱える課題ISSUE
全国的に空き家の軒数が
年々増加
※総務省「平成30年住宅・土地統計調査」
総務省がおこなった「住宅・土地統計調査」によると、空き家の総数は1998年の576万戸に対し2018年は846万戸と20年でおよそ1.5倍に増加しました。 空き家率(住宅総数に占める空き家の割合)も1998年の11.5%に対し2018年は過去最高の13.6%と、2.1ポイント上昇しています。
「賃貸用住宅」と「売却用住宅」は、不動産会社が管理しているため、管理不十分となる可能性が低いです。一方で、「その他の住宅」は個人が管理しており、 明確な管理目的がない場合がほとんどです。そのため、「その他の住宅」の割合が増えると、管理不十分の空き家も増加するということに繋がります。 管理不十分の空き家は、防災や衛生、景観などさまざまな点で問題が生じる原因となるため、増加を抑制する必要があります。
すまい研の活動する兵庫県内では、地域間で「格差」のある空き家問題。
一方で都市部でも、高齢化により空き家が増加。
兵庫県内の空き家率に関しては、4.9%の猪名川町から28.0%の加東市までばらつきがあります。 都市部では低く、北播、西播、但馬、丹波、淡路などの中山間地域で高くなる傾向ですが、神戸市西部でも高い数値がみられました。 神戸市長田区では高齢化率が3割を超え、空き家率が18.0%と市内で最も高いです。 過去約20年間で見ると、同区では阪神・淡路大震災後、高齢化の進展と共に空き家率が一気に増えました。 市内全体では住宅の総数は増えたものの、空き家率は増加傾向にあります。
※神戸新聞「増える空き家|神戸新聞」(http://www7.kobe-np.co.jp/blog/akiya/)
市町村数の半数近くを占める多様な地域で過疎が見られる
※総務省「令和2年版 過疎対策の現況」
昭和 30 年代以降、日本経済の高度成長の過程で、農山漁村を中心とする地方の人口が急激に大都市に流出した結果、地方において一定の生活水準や地域社会の基礎的条件の維持が困難になるなど深刻な問題が生じました。その結果、現在は、過疎地域の人口は全国の8.2%を占めるに過ぎないものの、市町村数では半数近く、 面積では国土の約6割を占めています。そのため、過疎地域では管理者がいなくなった建物・家屋が発生しやすい状態となっています。
すまい研の考えるまちづくりVISION
今、空き家問題や過疎問題など、様々な課題を抱えるまち。
何にもしなければ、そのまま廃れていってしまうまちの方が多いと思います。
しかし、そういった状況下で、
「その地域に宿る想いが次世代にもつながるまち」
そんなまちをつくることが大切だと私たちは考えます。
商業施設ができて、昔からあった家が駐車場になる。それに合わせて、まち全体も新たな建物に変わっていく。便利に発展しているのかもしれません。
しかし、その建物には地域の歴史や文化、営み、人々の想いが宿らない。効率性を重視した画一的な考え方が地域を席巻して、これまでその地域で築かれた想いがなかったことになる。
そうなると、私たちの子どもや孫はその地域で生きる必要性を感じなくなる。
建物から想いがなくなると人々からも想いが薄れていくのはないでしょうか。
魅力あふれるまちとは、人々の想いが建物に宿り、その建物から次世代も想いを宿す。
そんなまちだと思うのです。
魅力的なまちづくり
のための
すまい研の活動ACTIVITY
地域の人々とともに、まちの想いや魅力が宿る空き家を再生・利活用することで、地域コミュニティの再生を促し、活力(エネルギー)が循環して新たな魅力をもったまちとなります。